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挿入時の
内視鏡操作技術が重要です。
大腸カメラは、内視鏡挿入時に、大腸が曲がった状態で押す操作を行った際に痛みが発生します。
曲がりくねった大腸を肛門から盲腸部分まで挿入しますので、大腸の曲がりをとりたたんでいくことで、内視鏡を深く押し込むことなく盲腸まで到達することができます。
鎮静で眠った状態でこの操作を行うことで苦痛のない状態で検査を終えることが可能となります。
痛みのない
大腸内視鏡の挿入とは
大腸内視鏡検査は、まず肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、戻ってくる時に主に観察を行います。観察時には押す操作が少ないため苦痛はありませんので、挿入時の内視鏡操作技術が重要となります。それにより軽い麻酔でも痛みのない内視鏡検査が可能となります。
挿入時に曲がった状態で押す操作を加えた場合に痛みが発生します。長く曲がりくねった大腸内に内視鏡を入れていくため、単純に押したり先端を曲げるだけの操作では、曲がった状態で押すことになり苦痛を伴うだけで検査も長時間になってしまいます。また、このような操作では麻酔をしたとしても痛みはとれません。
ポリープ10mm
よく言われる痛みのない検査は、挿入していく際に大腸をたたんで直線化し無理な力が加わらないようにして初めて可能となるのです。このことは内視鏡医であれば誰でも知っている事ですが、現実には、検査を受ける方の大腸はそれぞれに長さや曲がり方、癒着の差があるため理屈どおり簡単にはできません。
現実にそれを可能とするためには、数多くの経験と曲がりや癒着に瞬時に対応して無理なく挿入していける技術が必要とされます。
動画でみる大腸内視鏡
動画は私が以前検査依頼を受けていた病院で、本人承諾のもとに撮影させていただいたものです。(通常は動画の記録は行いません)
患者さんは60代の男性で、その病院の方針で鎮静剤のみを使用し鎮痛剤は使わずに検査を行っています。胃カメラの後に大腸内視鏡を行いましたが、盲腸まで挿入する間は眠ったままでした。観察途中に目が覚めましたが、苦痛もないためそのまま画面を見ていて貰いました。
挿入時には、大腸をたたんでいくために大腸がしぼんだ状態で操作します。
この方の場合は、まだ腸液が残っている割には一番奥の盲腸まで入るのに 2分かかりませんでした。挿入時間はこれより時間がかかる場合も、早い場合もありますので参考程度にお考え下さい。これぐらいの時間であれば、これ以上早く挿入してもあまり意味はありませんので、無理なく挿入することが第一だと思います。(急いで入れたからといって曲がりくねった大腸には早く入るものではありません)
盲腸から戻ってくる際は膨らませた状態で観察を行いますが、ひだの裏側など見にくい部分があり見落としが起こりやすくなっています。1回の大腸内視鏡検査で確認できるのは、大腸全体の80%だと言われています。20%はひだの裏などの理由で見えていない部分で、この割合を減らすための努力が必要とされています。
本来、観察が検査の目的であり観察時には痛み等はありませんので、挿入よりも観察に時間をかける必要があります。
検査の前処置について
大腸の場合は大腸内をきれいにするために、前処置として左の検査用の下剤を1.5~2リットル飲んでいただきます。その後、5~8回程度排便していただき、便のカスがない状態になったところで検査となります。
この際、腸閉塞(腸の通過障害)や非常に強い便秘があると、下剤が肛門から出ずに腸内に溜まった状態になり危険です。その状態を防ぐために、先に他の検査を勧めたり、検査日を数日後にしていただく事がありますので御了承下さい。
右下の写真は、まだ腸液が残っていますが、この状態であれば便がほとんどないため吸引してしまうことは可能です。もし便が多く残っていた場合は、吸引ができないため水面下の部分は観察できませんので、ある程度大きいポリープでも見落とす可能性があります。
検査用の下剤
腸液が残っている状態
便秘のある方は前日の食事から注意していただき、前日に下剤を内服していただいた方が、当日に飲んでいただく下剤の量が少なく、きれいになるまでの時間もかかりません。このため検査前に一度来院いただきますようお願い致します。
内視鏡治療について
内視鏡治療について
大腸内視鏡検査を受けた方の30%前後に大腸ポリープが見つかり、約15%が切除した方がよいポリープとされています。
統計では
実際に、内視鏡専門の施設でのポリープの切除率も15%前後となっているところが多いようです。このように、ポリープは比較的多く見られる疾患ですが、切除による出血や穿孔などの合併症の危険性も考慮した上で、必要なものに対してのみポリープ切除が行われています。全てのポリープをとる必要はありません。
起こりうる合併症で多いのは出血であり、報告では、0.5~2%に起こるとされています。穿孔は稀です。当院での大腸内視鏡検査数は、年間1700例を超えていますが、その内、ポリープ切除を行った症例は250~300例です。出血が4~6例で見られ内視鏡による再止血を必要としました。穿孔はありません。
内視鏡的大腸ポリープ切除術について
[ポリープの確認、評価]
内視鏡検査にて大きさや表面の性状により切除が必要かどうかを判断します
[ポリープの切除]
ポリープより外側の正常粘膜で切除するようにスネア鉗子でポリープの基部の粘膜を把持します。切除ラインに問題なければ電気メスと同様の電流を鉗子に流し切除します。
ポリープが大きい場合や性状により切除範囲が広くなる場合は粘膜切除術にて切除します。
必要があればクリップをかけて出血等の合併症を防止します。
ポリープ6mm
大腸カメラは、内視鏡挿入時に
大腸が曲がった状態で押す操作を行った際に
痛みが発生します。
曲がりくねった大腸を肛門から盲腸部分まで
挿入しますので、大腸の曲がりをとりたたんでいく
ことで、内視鏡を深く押し込むことなく
盲腸まで到達することができます。
鎮静で眠った状態でこの操作を行うことで苦痛の
ない状態で検査を終えることが可能となります。
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