簡潔に

まず便秘についてきちんと理解することが大切で、それにより食生活や日常生活を改善していくことが重要。下剤の乱用により腹痛や便秘が強くなることもあるため、医師へ相談の上で使用される事をお勧めします。

詳しく
便秘の定義にはっきりとしたものはなく、3日以上排便がない時とされる場合もありますが、1日1回排便があっても、量が少なかったり、硬くて排便がしにくかったり、すっきりと出た感じがしない時も便秘の症状の一つです。
特に高齢者や女性で便秘は多く見られます。これは
筋力が弱いことに加え、高齢者では消化の良い物(噛みやすい繊維の少ない物)をとるために便量が少なくなることが原因となり、女性ではダイエットで食事量が少ないため便量が少ないこと、黄体ホルモンによる腸管動の抑制があること、排便を我慢することなどが原因となっています。

●機能性便秘

便がつくられる段階や排便の機能の異常による便秘
 [急性の便秘] 
以下の原因による一時的な便秘ですが、続くと慢性となる可能性があります。
  • 肉などの食物繊維が少ない食事に偏った時
  • 汗をかいたり水分をとる量が少なかったりで便の水分が不足した時
  • 旅行などの環境の変化、入院などによる運動不足など
 [慢性の便秘] 
  1. 弛緩性便秘
    慢性便秘の多くがこのタイプです。大腸の緊張や運動の低下により便を送る力が弱くなる事や高齢者や女性(特にお産が多い女性)で筋力(腹圧)が低下することなどが原因となります。大腸を通過するのに時間がかかるため水分を吸収され硬い便になります。症状としては腹痛よりもお腹の張った感じ(腹部膨満感)が多く見られます。
  2. 直腸性便秘
    便意を我慢することが多かったり腸を乱用したりすることで、便が直腸にきても正常な排便の反射がおこらず、便が直腸に停滞する便秘です。大きく硬い便になり断片的に排便し残便感が残ります。
     
  3. 緊張性便秘
    過敏性腸症候群(便秘型)や下剤の乱用で起こり、大腸の運動が亢進し引きつることで、便の通りが悪くなり起こります。痙攣性の収縮により小さく硬いウサギの糞のような便になります。便秘が続くことよりも便秘と下痢が交互にでるほうが多く見られます。症状は腹痛(特に左下腹部痛)で排便前に強く排便後に軽快します。

●器質性便秘

大腸の腫瘍や炎症による狭窄や大腸の長さ、大きさの異常による便秘

●薬剤性便秘

腸管の運動を抑制する副作用を持つ薬剤の使用による便秘
器質性便秘や薬剤性便秘については、原因となる病気に対する治療や下剤による排便のコントロールが治療の主体となります。
これに対して機能性便秘の場合は、まず、便秘についてきちんと理解することが大切で、それにより食生活や日常生活を改善していくことが重要です。下剤は補助的役割となりますが、その役割は大きく適正な使用が望まれます。
まず、便の70~80%は水分が占めており、10%が食物残渣で10~15%は腸内細菌の死骸から構成されています。水分が60%くらいになるとかなり硬い便になりますので、便秘の場合に水分をとることを勧められるのはこの10%を少しでも補うためです。
また便の量を増やし大腸の動き(蠕動運動)をよくするために食物繊維を十分にとる必要があります。ちなみに植物性の食物繊維には、水に溶ける食物繊維と溶けない食物繊維があり、水に溶ける食物繊維は海藻やこんにゃく、果物に多く含まれ、腸内細菌の善玉菌を増やす効果があります。水に溶けない食物繊維は野菜に多く水分を吸収し便を柔らかくする効果がありますので、両者をバランスよくとる必要があります。
食物繊維を十分にとることに加え、朝食をきちんと食べることが大切です。朝食を食べることで大腸の運動が促され排便しやすくなります。この時期を逃すことで便意が治まってしまい便秘になる方が若い女性で多く見られます。
以上のような食生活の改善の他に、排便前に腸管の運動を促すために、朝起きてすぐに冷水あるいは牛乳を飲む、10~15分ぐらいの適度な運動をするなどの方法も効果的です。その後に朝食をとり排便を試みます。この際、便意の有無に関わらず毎日トイレに行き排便の習慣をつけることと、便意があったら我慢をしないことが大切です。
その他に、腹部を温めたりマッサージをしたりすることも腸管の運動を促す効果があります。
食事や日常生活で上記のような注意をしてもなかなか排便できない場合には、下剤を使用する必要があります。その際、下剤には作用機序や強さによる違いがありますので、適正な使用が必要です。下剤の乱用により便秘がひどくなる場合や、緊張性便秘などで腹痛や便秘が強くなることもあります。医師へ相談の上で使用される事をお勧めします。
また、
便秘と思っていたら大腸癌による狭窄が起こっている場合もありますので、徐々に便秘がひどくなる場合はもちろん、それ以外の場合も一度は検査を受けられることをお勧めします。

便秘

便秘の分類もいろいろですが、大きく機能性便秘と器質性便秘に分けられます。