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簡潔に

精神的なストレスが誘因となって腸の機能障害がおこり、症状(下痢や便秘)が出現する。原因となるストレスや症状の程度が異なるので、治療は人により異なる。内服治療が必要な方も多く見られるが、内服が長期にわたることは少ない。

詳しく
胃腸科の外来では多く見られる疾患で一般の人の20~30%の人が経験するといわれる程です。精神的なストレスが誘因となって腹痛や下腹部の不快感を伴う下痢や便秘が見られます。胃や大腸は自律神経により運動をコントロールされていますが、ストレスを受けることでこのコントロールが正常に機能しなくなるために、腸の機能障害がおこり症状が出現します。(大腸だけではなく小腸も関与しています。
症状により以下の3つの型に分類されています。

●下痢型

腹痛を伴う慢性の下痢が続きます。粘液が混じることも多く見られますが血液が混じることはありません。腹痛や下痢の回数は個人差があります。下痢で急に腹痛が起こったりしますが、夜間に起こることはまれです。

●便秘型

腹痛があり便意があるのに便が出にくい状態となります。ウサギの糞のようなコロコロの便が出ます。大腸のS状結腸に強い収縮運動が起こるために便が通りにくい状態となるためです。

●交代型

下痢と便秘を繰り返します。数日間下痢をしたかと思うと便秘になりコロコロした便や細い便が出ます。
きっかけはストレスであっても胃腸反射が強く出るため、食べ物をとると急に腹痛や下痢が始まることも多く非常に強い便意を伴います。下痢以外にも急に腹部の張った感じがでたりします。排便すると痛みが和らぎますが、残便感も多くみられます。

●診断

過敏性腸症候群の人は症状が強い割に診察では大腸の部分に圧痛が時々見られる他は異常が見られません。多くの検査においても検査結果は正常です。
上記のような症状があり、検査で異常がないこと、内服などの治療により症状が消失または軽快することで診断することになります。

癌をはじめ他の疾患でも下痢や腹痛は見られますので、安易に症状のみで判断することなく検査で他の疾患がないことを確認する必要があります

●治療

原因となるストレスや症状の程度が異なりますので、人によって治療も異なります。原因となるストレスや腹痛のきっかけとなりやすい食事がわかれば、それを避けるようにします。内服治療を必要とする方も多く見られますが、内服が長期にわたることは少ないようです。医師に症状を伝え相談しながら治療していく必要があります。

過敏性腸症候群、過敏性大腸炎

過敏性腸症候群、過敏性大腸炎

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