簡潔に

20~30歳代で約30% 、40歳代で50%に上昇し、50歳代以上では70%の人が感染している。ピロリ菌感染者は感染していないヒトに比べ2~6 倍も胃ガンになりやすい。除菌すること(内服)で、80~90%の確率で除菌が期待できる。

詳しく
従来、胃の中は胃酸により強酸性(PH1~2)であるため無菌と考えられていました。ところが1983年にヒトの胃粘膜からはじめてこの菌(H.pylori : ヘリコバクタ-・ピロリ)が分離されました。ピロリ菌はらせん状のグラム陰性桿菌で、4~8本の鞭毛(極多毛)を持ち胃粘膜細胞と粘液中に生息しています。この菌は、ウレアーゼという酵素をだし、尿素をアンモニアと炭酸ガスにかえ、このアルカリ性のアンモニアで、強力な酸である胃酸を中和して胃の中に存在しているのです。
日本では20~30歳代で約30% 、40歳代で50%に上昇し、50歳代以上では70%の人が感染しており中高年で感染率が高くなります。発展途上国で感染率が高いことから、水を介した感染が疑われ、衛生環境と関係すると考えられています。
胃炎で50~70%、胃潰瘍で75~90%十二指腸潰瘍で80~90%の患者さんで感染が見られます。ピロリ菌が持続感染した胃粘膜は、慢性萎縮性胃炎に移行することが確認されています。慢性萎縮性胃炎は胃ガンに進行する可能性の高いことから、ピロリ菌感染者は感染していないヒトに比べ2~6 倍も胃ガンになりやすいとの報告があります。
ピロリ菌が感染している場合、組織学的には胃炎がほとんどに見られますが、実際に潰瘍になる頻度は約 2%程度とかなり低く報告されています。これはピロリ菌に感染しても無症状で過ごしている人が多いことを示しています
胃炎や潰瘍とピロリ菌の関係は認められたものの、どのように胃粘膜が傷つけられていくのかはわかっていません。高い感染率にもかかわらず、一部の人にしか発症しない理由も不明で、今後の解明が期待されます。

●ヘリコバクタ-・ピロリの検査法

内視鏡検査の際に行う「培養法、組織検査、ウレア-ゼ試験」と内視鏡検査がいらない「尿素呼気試験、抗体測定」があります。

●ヘリコバクタ-・ピロリの治療法(除菌)

除菌することで70%程度の人の潰瘍の再発が予防できると考えられています。除菌の対象となる人は、胃・十二指腸潰瘍の患者さんでピロリ菌に感染している人で2種類の抗生物質と胃酸分泌抑制剤の合計3剤を1日2回朝夕、7日間服用します。その後、潰瘍の治療の薬を数週間内服します。正しく内服することで80~90%の確率で除菌が期待できます
除菌療法の主な副作用として軟便、下痢、味覚異常、肝機能を表す検査値のAST(GOT)の変動、ALT(GPT)の変動などが見られますが、特に症状が強くなければ、最後まで継続して内服してください。症状が強い場合は自己判断で中止せずに医師にご相談ください。

ヘリコバクター・ロリ

ヘリコバクター・ピロリ