大腸内視鏡の前処置について 

大腸内視鏡検査(挿入時動画)
直腸より盲腸までノーカット 1分55秒
ブロードバンド用の動画はこちらからどうぞ
(画像左に時計があり時間が確認いただけます。)

 大腸内視鏡検査について
痛みのない大腸内視鏡の挿入とは
 大腸内視鏡検査は、まず肛門から一番奥の盲腸まで挿入して、戻ってくる時に主に観察を行います。観察時には押す操作が少ないため苦痛はありませんので、挿入時の内視鏡操作技術が重要となります。それにより軽い麻酔でも痛みのない内視鏡検査が可能となります。
 
 
挿入時曲がった状態で押す操作を加えた場合に痛みが発生します。長く曲がりくねった大腸内に内視鏡を入れていくため、単純に押したり先端を曲げるだけの操作では、曲がった状態で押すことになり苦痛を伴うだけで検査も長時間になってしまいます。また、このような操作では麻酔をしたとしても痛みはとれません。
 
 よく言われる
痛みのない検査は、挿入していく際に大腸をたたんで直線化し無理な力が加わらないようにして初めて可能となるのです。このことは内視鏡医であれば誰でも知っている事ですが、現実には、検査を受ける方の大腸はそれぞれに長さや曲がり方、癒着の差があるため理屈どおり簡単にはできません。
 現実にそれを可能とするためには、数多くの経験と曲がりや癒着に瞬時に対応して無理なく挿入していける技術が必要とされます。

大腸内視鏡の動画
 左上の動画は私が検査依頼を受けている病院で、本人承諾のもとに撮影させていただいたものです。(通常は動画の記録は行いません。)
 患者さんは60代の男性で、その病院の方針で鎮静剤のみを使用し鎮痛剤は使わずに検査を行っています。胃カメラの後に大腸内視鏡を行いましたが、盲腸まで挿入する間は眠ったままでした。観察途中に目が覚めましたが、苦痛もないためそのまま画面を見ていて貰いました。
 
 挿入時には、大腸をたたんでいくために大腸がしぼんだ状態で操作しますので、分かりにくいと思いますが、途中同じ場所で操作しているのは大腸を直線化しているためです。

 この方の場合は、まだ腸液が残っている割には一番奥の盲腸まで入るのに 2分かかりませんでした。挿入時間はこれより時間がかかる場合も、早い場合もありますので
参考程度にお考え下さい。これぐらいの時間であれば、これ以上早く挿入してもあまり意味はありませんので、無理なく挿入することが第一だと思います。(急いで入れたからといって曲がりくねった大腸には早く入るものではありません。)
 
 盲腸から戻ってくる際は左の写真のように膨らませた状態で観察を行いますが、写真にあるひだの裏側など見にくい部分があり見落としが起こりやすくなっています。1回の大腸内視鏡検査で確認できるのは、大腸全体の80%だと言われています。20%はひだの裏などの理由で見えていない部分で、この割合を減らすための努力が必要とされています。
 本来、観察が検査の目的であり観察時には痛み等はありませんので、挿入よりも
観察に時間をかける必要があります
大腸カメラ 横行結腸
大腸カメラ 大腸(盲腸)内写真
大腸内視鏡検査 前処置 検査用下剤
大腸カメラ 大腸ポリープ 

大腸内視鏡写真
(S状結腸 10mm大 ポリープ)

大腸内視鏡写真
(盲腸)

大腸内視鏡写真
(横行結腸)

前処置 腸内容液

検査用の下剤

 大腸の場合は大腸内をきれいにするために、前処置として左の検査用の下剤を1.5〜2リットル飲んでいただきます。その後、5~8回程度排便していただき、便のカスがない状態になったところで検査となります。

 この際、
腸閉塞(腸の通過障害)や非常に強い便秘があると、下剤が肛門から出ずに腸内に溜まった状態になり危険です。その状態を防ぐために、先に他の検査を勧めたり、検査日を数日後にしていただく事がありますので御了承下さい。
 
 左下の写真は、まだ腸液が残っていますが、この状態であれば便がほとんどないため吸引してしまうことは可能です。もし便が多く残っていた場合は、
吸引ができないため水面下の部分は観察できませんので、ある程度大きいポリープでも見落とす可能性があります。
 そういった患者さんにとっての不利益をなくすために、きちんとした前処置を行う必要がありますので、4回目頃からは便を確認させていただく必要があります。必要な方には下剤を追加で飲んでいただくことがありますので、その時はご協力をお願い致します。

 
便秘のある方は前日の食事から注意していただき、前日に下剤を内服していただいた方が、当日に飲んでいただく下剤の量が少なく、きれいになるまでの時間もかかりません。このため検査前に一度来院いただきますようお願い致します。
 
 前処置
 大腸内視鏡検査の流れについて 
 
 更衣室で着替えて検査室へ移動します 

 診察を受けていただいた後に、内視鏡室(中待合室)に移っていただきます。前処置の下剤を飲んでいただく前に、お薬を飲んでいただきます。これにより下剤の量と時間を少なくできます。

 診察後に内視鏡室(中待合室)へ入ります 

 大腸カメラの場合は検査着に着替える必要があります。更衣室には専用のロッカーがあります。(ちなみに検査着の下には、お尻にスリットの入ったディスポのパンツを着用していただきますが、外からお尻が見えることはありません。検査の際も内視鏡を肛門に挿入する時に医師が一瞬見る以外はお尻は見えることはありません。)その後、検査室へ移動し、ストレッチャーの上に横になります。


  眠ったままで検査と検査後の移動を行ないます

 検査は観察のみであれば短時間で終ります。検査後はストレチャーの上で眠ったまま、リカバリースペースへ移動します。普通は1時間ぐらいで目が覚めますが、個人差があり2時間かかる方もいます。(その場合でも休んでいただくスペースは十分用意してありますので無理に起きていただくことはありません。)目が覚めた後で撮影した写真(20枚程度)を画面でお見せしながら結果の説明をさせていただきます。

 
 
 


 

 検査用の下剤を1.5(~2)リットル飲んでいただきます。その後、5~8回程度排便していただき、便のカスがない状態になったところで検査となります。2〜3時間かかりますので、この間、くつろいでいただくためのスペースと、トイレは排便の回数が多いため、お尻をこすらず洗えるようにウオシュレット付を周囲への音を気にする必要のない場所に男女2室ずつ(予備1室)備えてあります。

 前処置の下剤を飲み大腸を洗浄します 

 

注: 写真は胃カメラの様子です。